歯周病は歯垢(プラーク)が原因で発症し、症状が悪化していくのですが、歯垢(プラーク)だけでなく『たばこ(喫煙)』が原因で歯周病の症状が悪化し、さらにたばこを吸っている方は歯周病の治療を行っても治りにくいといわれています。
なぜたばこが歯周病の症状を悪化させ、治りづらくしてしまうのでしょうか?
人間の身体にはケガや病気をしても自然治癒力がありますので、ある程度の病気やケガであれば勝手に治っていくのですが、たばこに含まれる『ニコチン』という物質は血液の流れを悪くし、身体の抵抗力を下げるといわれています。
病気にかかりやすい=歯周病になりやすい
さらに、病気(歯周病)になっているにもかかわらずたばこを吸い続けていると、病気が治りにくい=歯周病も治りにくいということになってしまうのです。
また、たばこにはニコチン以外にも多くの有害物質が含まれており、それらの有害物質が唾液の分泌量を減少させたり、歯垢(プラーク)を付着させやすくしますので、たばこを吸う人は歯周病になりやすく、歯周病が治りづらく、例え完治しても再発しやすいのです。
たばこをやめない限り歯周病は治らない。とさえ言われていますので、歯周病を完治させ、再発を防ぎたい場合は、たばこをやめる事が近道になる事は間違いありません。
あるデータによると、『たばこ喫煙者は吸わない人に比べて2~6倍、歯周病になりやすい』とされていますので(喫煙歴が長く1日の本数が多ければ多いほど倍率は高くなります)、例え現在、歯周病になっていなくても、たばこを吸っていると歯周病へのリスクが高くなり、逆に禁煙すると歯周病へのリスクが下がりますので、歯周病を予防するためにも禁煙することをオススメします。
歯周病にかかっている人の42%が現在吸っているたばこが原因で、11%の人が以前に吸っていたたばこが原因で歯周病になりました。
1日あたりのたばこの本数が多いほど、歯周病のリスクは高まります。非喫煙者と比較すると、1日に9本以下の喫煙者のリスクは2.96倍なのに対し、1日31本以上の喫煙者のリスクは5.88倍まで高まります。
禁煙をおこなうと歯周病のリスクは徐々に低下します。歯周病のリスクは、禁煙後0~2年は3.22倍ですが、11年後には1.15倍まで低下します。禁煙をしても10年は歯周病のリスクは高いので注意が必要です。