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歯周病の基礎知識 歯周組織

エナメル質

エナメル質は歯の表面を覆っているものです。口をあけて白く見える部分、歯の1番外側の組織、それがエナメル質です。厚さは2~3ミリで、歯の表面に近ければ近いほど、硬くなります。
エナメル質は人体の中で最も硬い組織といわれているほど強固で、主に物を噛み砕く役割を果たしています。

断面図

象牙質(ぞうげしつ)&象牙細管(ぞうげさいかん)

エナメル質の下の組織が象牙質で、象牙質の中には歯髄神経へ繋がる象牙細管というとても細い穴(管)がいくつも通っており、栄養素を送るだけでなく、刺激も伝える役割を果たしています。そのため、この部分が虫歯に侵されたりすると冷たいものや甘いものがしみたりします。
歯の大部分を占めます。

象牙質

歯肉

口の中の歯を覆っているピンク色の部分、それが歯肉です。
いわゆる歯ぐきのことです。
歯槽骨の表面を覆う粘膜で、骨を様々な細菌から守るバリアーの役割をしています。健康な状態では、歯と密着していますが、歯周病にかかると、歯から剥がれて深い溝が出来ます。

セメント質

象牙質を覆っている薄い組織がセメント質で、セメント質の成分はほぼ骨と同じで、

・無機質:60%
・有機質:25%
・水:15%

となっており、セメント質は欠けやすいですが欠けても再生可能です。
セメント質は歯の根っこをおおって、グラグラしないようにささえている部分です。
セメント質には象牙質を守るはたらきもあります。ほんの少しの部分ですが、とても大切な役割をもっています。

歯槽骨(しそうこつ)

歯を支えている骨のことを歯槽骨といいます。
歯と歯槽骨は歯根膜という繊維で繋がれています。
歯根膜は、歯根と歯槽骨をつなぎとめながらクッションのような働きをする他、感覚受容器としても働きます。
この歯根膜にも神経や毛細血管などが通っています。
歯周病にかかると、この骨が溶けてなくなるので、歯は支えを失ってグラグラ揺れ始めます。

歯槽骨(しそうこつ)断面図

歯髄神経

歯の真ん中にあり、象牙質が受けた刺激を最終的に脳へ送る神経が歯髄神経です。
実際には、細い神経と血管からできています。そのため、この血管が炎症を起こして腫れると、一緒にある神経が圧迫されて激しい痛みが出ます。
象牙質を産生するとともに、象牙芽細胞とその突起とを通じて、また血管によって象牙質を養っています。

歯髄神経