認知症
2016年4月23日
カテゴリ:日記
大阪府東大阪市 大阪歯周病センター 歯科助手の石田です。
今日は認知症についてお話します。認知症は「老化によるもの忘れ」とは違います。認知症は、何かの病気によって脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態をいいます。
認知症の約半数の割合を占めているのがアルツハイマー型認知症です。認知症の予防としては、生活環境が深い影響を及ぼしています。そのため、食生活の改善や運動によって、脳を健康な状態に保つことが予防になります。そして脳を刺激するには、噛むことがすごく大切です。歯があれば噛めますが、歯が抜けると噛めないだけではなく歯根膜もなくなり、脳へ刺激は伝わらなくなります。また歯があってもあまり咀嚼を意識しないで食べていると、脳への刺激も少なくなります。高齢者の歯の残存数とその認知症との関係についての研究では、こんなことが分かりました。健康な人では平均14.9本の歯が残っていたのに対し、認知症の疑いのある人では、9.4本少ないことや、残っている歯がないほど、記憶や学習能力に関わる海馬や、意思や思考の機能に関係する前頭葉の、容積などが少なくなっていたことがわかりました。この結果から、歯がなくなると、脳が刺激されなくなり、脳の働きに影響に与えているということが分かりました。
アルツハイマー型認知症の方の口の中を調べると、歯がなくなり長い間よく噛んで食べることができていなかったと思われる人が多く見られます。歯がないと歯根膜がなくなるため、刺激は脳には伝わりません。しかし、歯に代わる入れ歯やインプラントの治療をすれば大丈夫だとされています。ただ入れ歯があるいうだけではといけません。北海道の病院で行われた調査では、入れ歯があっていない人すべてが認知症だったと報告があります。その人に合った入れ歯できちんと噛むことが重要なのです。
大阪歯周病センターへ